海外の様子を気ままに語るブログ

英語でのコミュニケーション、様々な違いを乗り越えて外国人とお互い満足して仕事をするためのブログ。

あなたの『英語での説明』が相手に伝わらない理由

引っ越し中。
2017年10月1日更新:
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あなたが説明やプレゼンをしている際、こんなことありませんか?

説明中に何度も質問をされた。

プレゼンの際、みんなが戸惑いの表情を見せている…

最終的に説明したことが伝わっていなかった。

 

これって日本人が説明やプレゼンをするとよくあることなんです。

そして、説明中に割り込まれたり止められたりして、私たちは余計緊張してしまい、簡単な質問にも答えられなくなってしまいます…f:id:knttsm:20170102163532j:plain

通用しない日本の「起承転結」

日本人は説明やプレゼンをする際「起承転結」の構成に従ってしまう傾向にあります。

作文から入試の小論文までこの構成に従った教育を受けてきた私たちは、この構成に従うことが自然なことなんですよね。

ただ、この「起承転結」は漢詩から生まれてきてたものですので、欧米人には理解することができません。

彼らの論理構成は結論→根拠→結論」でできています。

ですので、そんな彼らが起承転結で構成された説明・プレゼンをきくと、

話の流れが理解できず、結論を勘違いしたり、説明中に「あなたの言いたいことがわからない」などとコメントされてしまうこともあります。

日本人がしがちな説明の悪い例

アメリカ本社で働いているMartinが日本にいる山田さんと打ち合せをしています:

Martin:

「利益率の良いアメリカのアフターサービス方式を日本でも取り入れる予定だが通用すると思うか?」

山田さん:

「価格競争が激しい中で、売上・利益目標を達成するためには何か新しい方法を取り入れなければいけないと思っています。その中でも利益率の高いアフター部分を強化することは重要課題の一つです。コスト削減を考えたサプライチェーンの構築には全社をもって対応しています。ただ、日本の顧客は要求がとても細かくとても丁寧なサービスが求められます。そのため、アメリカ方式は日本では難しいと思います」

 

このような説明は不明確で不誠実な印象を与えます。なぜならば、

1.Yes/noの質問に対して返事をしていないから

2.利益率の話から、顧客要求の話に突然切り替わっているから

この急な論点の切り替わりは、「何か隠しているんじゃないか」と相手に思わせてしまうこともあります。

では、どう答えればいいのか?

アメリカの方式を日本に適応させるには2つの問題を解決する必要があります。まず日本人顧客がどのようなアフターサービスを望んでいるかを理解すること。日本人顧客はとても細かい丁寧なサービスを期待しているので、彼らのニーズを理解することが必要です。また、マーケット情勢を考えた部品のコスト削減も必要になります。これらを考えると日本人向けに調整されたアフターサービスの提供と、コスト削減のためのサプライチェーンの強化が必要になります

ここで山田さんは、2つの問題を解決すればアメリカ方式を取り入れることは可能と言っています。

そして、構成が「結論→根拠→結論」ってなっているのはおわかりでしょうか…

(結論部分を青色にしてあります。)

プレゼンをする際もこの構成を当てはめれば、相手に伝わること間違いなしです。

まとめ

1.説明やプレゼンの際に質問が飛んだりコメントをされるのは「相手に伝わる構成で話していないから」(あなたが馬鹿なわけじゃない!)

2.外国人(とくに欧米人)と話すときは「結論→根拠→結論」を意識する。

3.Noというときも条件を付けたYesすれば好感度アップ!

 

海外赴任の方。その日本流、伝わっていますか?

赴任先で実際に働いてみると、案外日本流が通じることってありませんか?

「なんだ案外柔軟に対応してくれるな」とか「案外遅刻しないじゃん」とか。

と、思った矢先、小さな行き違いがあって、

「いやいや、それはないわ」と思ったり。

そして、その行き違いで仕事の効率が落ちたり、自分でやった方が早いわと思ったりしますよね。

 

ただ、日本流を続けたことによって起こる「行き違い」は仕事の効率性だけではなく、現地の人との信頼関係に大きな影響を及ぼしているんです。

私は、現地の人との信頼関係を築くためには「国際感覚」を持って仕事をすることが必要だと思うのですが、皆さんはどう思いますか?

国際感覚をもつ、とはどういうことなのか?

辞書によると「国際感覚」とは:

国外の様々な文化や価値観を知り、自国内に限った観点ではなく国際的な観点からものを考えることのできる感覚。自国の常識にとらわれず、より広い価値観や考え方で物事を捉えるセンス。

と書かれています。

私が経験上考える「国際感覚がある」とは:

相手の文化や価値観を知り、自国内に限った観点ではなく国際的な観点から物事を考え、柔軟に対応ができること。です。

国際的な観点から物事を考えるだけではなく柔軟性を持って対応(理解を行動に移す)までできないと、相手は自分の(現地の)価値観を否定された気持ちになってしまい、信頼関係が構築しづらくなってしまうと私は感じています。

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「知っている」から「行動に移す」ことの重要性

以前の海外赴任先では、日本人の社長が、

職務所掌範囲を超えることが、現地の価値観として受け入れがたいこととわかっていながら、その範囲を超える仕事の割り当てを行いました。

現地の外国人は社長のいうことなのでその仕事を行いましたが、

「現地のことを全然わかっていない」と、不満だけが残る形となりました。

再度言いますが、社長は『現地の価値観には合わない』と認識はしていたんです。

こういう小さな「俺たちのことわかっていない・理解しようとしていない」が積み重なると、現地の外国人はどんどん自分の周りにバリアを張ってしまい、信頼関係を築くことがとても難しくなります。

認識していることを伝えるにはやはり『行動』が不可欠です。

「行動」が信頼関係を生む

相手の価値観を知り柔軟性を持って物事に対応する(行動に移す)ことをしないと、相手と信頼関係は築けません。

日本人のような察する能力は、外国人にはほとんどないですから、

「行動」して私たちが理解していることを相手に伝えることがとても重要なんです。

また外国ではこの「価値観」を知って「行動に移す」ことを怠ると、

法を犯すこともあるので、注意してほしいです。(おまけをご覧ください)

ただ結局それも、信頼関係が築けていると、訴えられる前に誰かが教えてくれるんです。

「あなた、それよろしくないよ」と。

 そんなこともあり、やっぱり私は信頼関係を築くために「国際感覚」持つことが必要だと思うのです。

まとめ

相手との信頼関係を築くためには「国際感覚(相手を知り行動に移す)」が不可欠。

そしてその感覚を磨くためには:

1.海外就労先の就労に関係する法律外国人の価値観を知る

2.現地の人に対してアンテナを常に張っておく。(日本流を受け入れてくれているのは、彼らが本当に賛同してくれている?)

3.信頼のできる外国人従業員がいるのであれば、その人の意見を聞いてみる。

4.もし彼らの価値観を知っているのであれば、その価値観に柔軟に対応し、彼らの価値観を尊重する行動をする

どれもこれも、最終的に信頼関係を築くためです!

 

おまけ:

イタリアでは、人前で誰かを叱咤すること、職務所掌を超えて仕事を依頼することは法律違反です。

アメリカでは面接の際に年齢を聞いたりすることはハラスメントとして扱われます。

みなさんは、彼らにどんな価値観があってこういう法律があると思いますか?