「考えておきます」と言って、本当に考えていますか?
「やっと空気読めるようになってきたよー!」と前の会社の中国人の先輩が一言。
彼女は日本人の旦那さんと結婚して子供も二人。もう日本で20年以上暮らしています。
20年かけて、空気を読めるようになったと思った理由は、「考えておきます」を真に受けなくなったから、だそうな。
この「考えておきます」を意図して使うことによって、特に海外にいる方は現地オフィスの方との信頼関係を深めることができます。
本当に考えている?
彼女が大学卒業後日本の会社に入ってつくづく疑問に思っていたことは、
「あんなに長い会議をしているのに日本人は会議中発言をしない。誰も発言をしないからボランティア精神で意見を出すと『アイディアがでましたので考えておきましょう』と言われる。なのに一か月後には会議では出すらしなかった違う意見が採用されている。もしくは一か月間何も進展がない!考えてないんだったら『考える』って何でいうの」
その疑問は就職してからずっと消えなかったそうです。
そして彼女は日本の会社で15年働いてやーっと、日本人の「考えておきます」を「まだ決めない」や塩漬け案件とみなすようになれたそうです。
「考えておきます」と言われると相手はこう受け取る
私の先輩の言う通り、「考えておきます」ということによって外国人は「私たちが考えている状態にいる」という理解をします。
答えを後回しにしたり、柔らかく断るための言葉の認識ではないんですね。
ですので、
考えるといったのに他の案にいつの間にか決まっていた、
考えるといったのに1か月たってもなんの進展もない、
という状況は相手に不信を与えます。
事実、私の日本人の同僚は「考えておく(後で決める)」と客先に伝え、結局なにも進展がないことに信頼を失った客先は、結局うちとの取引をストップしてしまいました。
他にも嘘をつく上司(考えておくといいながら他の提案書をすでに採用していた)のことを信用できない、と言っている外国人社員のケースもあります。
このように日本人の「考えておきます」は、相手の誤解を招くことが多々あるため、注意をして使わなければいけない一つの言葉となっています。
まとめ
1.本当に意見を考慮する・考える場合に「考えておく」を使いましょう。
2.会議中もし良いアイディアがでなかった場合は「まだ他の意見も聞きたいので、いつまでにアイディアをください」など言って「考えておく」という発言を避けましょう。
3.ベンダーとのやり取りで「考えておく(まだ決められない)」というときは、「いいと思うがまだ決められない」と言って立場を明確にさせましょう。
4.最終案が決まった時には、関係者と情報の共有しましょう。日本でもそうなので言うまでもありませんが、情報共有をするだけでよりよいい人間関係を作ることができます。
おまけ
中国人の先輩曰く、
「日本人は、恥ずかしかったり、会議を早く終わらせるために会議中に発言しない人がいる。だから私も空気を読んで会議中発言しなくていいって思うようになったよ。会議の後にアイディアを上司に言った方が本音が聞けるし、アイディアも採用されるよ」
おそらくそうなのでしょうが、そもそも会議の意味がないような・・・と思った私でした。