イタリアでの地震対策
みなさん、こんにちは。
今朝がた、イタリアの中央部(ローマの近く)で地震があり、
皆さんから身の安全を確認するメールをいただきました。
お気遣いいただきまして、ありがとうございます。私は無事です!
被害にあわれた方たちが少しでも早く普通の生活を取り戻せること、
少しでも多くの方が救助されることを祈っています。
イタリアではまれな地震があったこともあり、
今日はイタリアでの地震対策について書きたいと思います。
地域にもよりますが、イタリアでは殆どの家が築50-100年で、
世界遺産に登録されている街に行けば行くほど、建物は古いです。
ただ、日本のようには地震が頻繁に起きないことから、
特に昔の建物は地震が来ることを前提として設計されていません。
(ちなみに私が去年ベルガモという街で泊まったホテルは、1500年代に建てられたものでした… 写真参照)
政府は地震対策の予算も組んでいるとのことですが、
建物の補強などの耐震対策は、
世界遺産に登録もされている建物や街並みなどの景観が崩れてしまうことから、
実際には対応できていないのではないか、と思います。
(あくまで個人の考えです)
会社で避難訓練があった際に学んだことですが、
日本では、
「地震があったら机の下にまずは隠れる」ですが、
イタリアでは、
「地震があったらまず外に避難する」です。
もちろん揺れている最中、すんなり外に避難をすることはできないので、
まずはドアを開けて逃げ道を確保し、
ドアの近くに移動することが重要と言われています。
(同僚曰く、ドアの周りは強度が強いため)
決して机の下には隠れません!
建物の耐震構造が強くないことを考慮した、避難の方法になっています。
外に出た後は緊急時集合場所に従業員が集まり、
集合場所に設置されている箱から、従業員の名前や従業員番号が書かれた札を、
一人ひとりとっていきます。
そして10分おきぐらいに人事とセキュリティ・セイフティ部門の人が、
箱に残っている札を確認し、欠勤者を含めて全員無事かどうかの確認をします。
私が勤めている会社では、建物をでてから最終確認をするまで約30分。
避難訓練だということもあり、すんなりと進んだイメージがあります。
日本では、地震が来た後に無事を確認するメールやSMSが従業員に届き、
ネットを通し、従業員の身の安全を確認する、
という方法をとる会社が、東北大震災後に増えてきました。
それを考えると、イタリアの安全確認はどちらかというと原始的ですよね。
ちなみに、イタリアでは社員の安全を守る法律が厳しく設定されています。
私が勤めている会社や友人が働いている会社でもそうですが、
火事の際の避難ルートから、誰かが急に倒れてしまった場合に救助する人、
しいては、パソコンに向かう姿勢が健康上いい悪い、まで、
細かく安全管理をしている会社が多いです。
たまに極端に思うこともありますが、
従業員の安全を考えルールが設定されているので、安心して仕事ができます。
ということで、皆さん。
もしイタリア旅行に来て地震にあった際は、
部屋のドアを開けて通路を確保し、避難通路から外に出てください。
地震がおさまったからといって、建物内には残らないようにしてください。