海外の様子を気ままに語るブログ

英語でのコミュニケーション、様々な違いを乗り越えて外国人とお互い満足して仕事をするためのブログ。

もーしょうがないやってやろうか!精神-仕事をうまく進めるためには。

ちょっと長いタイトルですが、今日は日本の「もう、しょうがないやってやろうか!」精神について。その精神は海外でもあるものなのか、また海外で仕事をスムーズに進めるためには、どんなことが必要なのかブログを書いていきたいと思います。

「もう、しょうがない!やってやる!」精神とは?

自分の担当業務ではないが、担当者が忙しく精神的な余裕もないなどの理由から、代わりに能動的に仕事を手伝ってあげること。

 例1:新人がスケジュール管理を間違え、期日になっても必要な提案書ができていない!

それに気付いた先輩たちが「もーしょうがない!手伝ってやる!」と部署をまたがり、納期の確認、技術書類や商業書類の作成を助けてくれ、なんとか提案書の作成ができた。

例2:新製品販売にともないProject担当者が技術検討・コスト検討・売値設定を行っている。はたから見ても彼のワークロードは高い。

そんな時マーケティング部でも対応できる「売値設定」に関する質問が営業から届いた。マーケティング課長は「もーしょうがない、忙しいだろうから対応してあげないと!」と、担当者の代わりに営業に返信を行った。

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日本だとよく見かけることだと思います。

私も日本で働いていた際に何度かこの状況に面したことがあり、部署が一丸となって提案書の作成やその他提出用書類の作成を夜の11時頃まで行ったことがあります。

それはそれで一体感があって、仕事終わりにみんなで飲みに行って、とても気持ちいい達成感があったのを覚えています。

 

では、こういうことは海外ではあるのか?

基本的にはありません。

海外では職務所掌(Job description)が明確に定義されており、人の仕事・権限と自分の仕事・権限の境界線が明確になっています。また基本は成果主義のため、特に営業などでは人の仕事を自ら手伝う、などはありません。自分のお金になりませんから。

ですので、「もー、しょうがない!手伝ってやる!」は期待してはいけません。

 

こんなことがありました。

新製品開発を担当しているSさん。

To do listの担当者を明確に行わなわず、海外での職務所掌を考慮せずに仕事を進めたため、現地の人は常に混乱状態。Sさんは技術・商業すべての対応をしなければならず常に残業。

そんな中、プロトタイプ購入予定の客先から価格に対する質問が営業に届く。

営業は普段なら自分で返事をしているが(自分に決定権があるため)、この件に関しては担当者Sさんにメールを転送し、客先に返信をするように依頼。

Sさんは私のところに来て、「誰も協力してくれない!普段担当してやっていることだし、仕方ないからやってやるか!みたいなのないのかな!」と愚痴と苛立ちを発散!

 

彼はどうするべきだったか。

1.各仕事の担当者を明確にする。

2.担当者は職務所掌を考慮したものにする。

3.Projectの状況を共有する。

この3点をするだけで上の状況は避けられていました。なぜなら、上の3点でProjectの混乱を解消することができるから。

 

そのことによって;

1.担当者が自分の仕事の範囲を理解し、仕事を進めやすくなる。

2.担当者が職務権限を越えないため、どうしていいのかわからない状況、社内ルールに反するリスクを避けられる。

3.Projectの状況やコミュニケーションルートが明確になることによって、協力してもらえるようになる(欧米では決定や行為に対し責任があり、それが原因でクビになることもあります。だれも混乱状況にあるProjectを自ら望んで手伝いたくないですよね)

 

まとめ。

海外の方(特に欧米人)には「もーやってやるか!」精神はありません

彼らとうまく仕事を進めていくには、

日本のやり方で物事を推し進めず、職務所掌を考慮して各業務の担当者を明確に行うこと。

もしも他者からの協力が必要な場合は、

上司に相談し人をアサインしてもらってください。

上司はあなたへの責任があるので協力はしてくれます。

同僚に頼んでもいいですけど、「やっぱり食事に行くことになったから残業ムリー」なんてことはあり得ます。

 

個人的な意見を言うと、海外で働いているのだから、海外の人と働いているのだから、彼らの法律や、働き方、仕事に対する価値観を考えて仕事を進めてほしいです。

相手を日本のやり方(国際的とは言えない)にあわさせるよりも、自分が柔軟に対応していったほうが物事が早く進みますし。

その上で日本のいい部分(お互いサポートしあう)を取り入れていくのが、互いにとってFairなのではないかな、と思います。