海外の様子を気ままに語るブログ

英語でのコミュニケーション、様々な違いを乗り越えて外国人とお互い満足して仕事をするためのブログ。

海外赴任の方。その日本流、伝わっていますか?

赴任先で実際に働いてみると、案外日本流が通じることってありませんか?

「なんだ案外柔軟に対応してくれるな」とか「案外遅刻しないじゃん」とか。

と、思った矢先、小さな行き違いがあって、

「いやいや、それはないわ」と思ったり。

そして、その行き違いで仕事の効率が落ちたり、自分でやった方が早いわと思ったりしますよね。

 

ただ、日本流を続けたことによって起こる「行き違い」は仕事の効率性だけではなく、現地の人との信頼関係に大きな影響を及ぼしているんです。

私は、現地の人との信頼関係を築くためには「国際感覚」を持って仕事をすることが必要だと思うのですが、皆さんはどう思いますか?

国際感覚をもつ、とはどういうことなのか?

辞書によると「国際感覚」とは:

国外の様々な文化や価値観を知り、自国内に限った観点ではなく国際的な観点からものを考えることのできる感覚。自国の常識にとらわれず、より広い価値観や考え方で物事を捉えるセンス。

と書かれています。

私が経験上考える「国際感覚がある」とは:

相手の文化や価値観を知り、自国内に限った観点ではなく国際的な観点から物事を考え、柔軟に対応ができること。です。

国際的な観点から物事を考えるだけではなく柔軟性を持って対応(理解を行動に移す)までできないと、相手は自分の(現地の)価値観を否定された気持ちになってしまい、信頼関係が構築しづらくなってしまうと私は感じています。

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「知っている」から「行動に移す」ことの重要性

以前の海外赴任先では、日本人の社長が、

職務所掌範囲を超えることが、現地の価値観として受け入れがたいこととわかっていながら、その範囲を超える仕事の割り当てを行いました。

現地の外国人は社長のいうことなのでその仕事を行いましたが、

「現地のことを全然わかっていない」と、不満だけが残る形となりました。

再度言いますが、社長は『現地の価値観には合わない』と認識はしていたんです。

こういう小さな「俺たちのことわかっていない・理解しようとしていない」が積み重なると、現地の外国人はどんどん自分の周りにバリアを張ってしまい、信頼関係を築くことがとても難しくなります。

認識していることを伝えるにはやはり『行動』が不可欠です。

「行動」が信頼関係を生む

相手の価値観を知り柔軟性を持って物事に対応する(行動に移す)ことをしないと、相手と信頼関係は築けません。

日本人のような察する能力は、外国人にはほとんどないですから、

「行動」して私たちが理解していることを相手に伝えることがとても重要なんです。

また外国ではこの「価値観」を知って「行動に移す」ことを怠ると、

法を犯すこともあるので、注意してほしいです。(おまけをご覧ください)

ただ結局それも、信頼関係が築けていると、訴えられる前に誰かが教えてくれるんです。

「あなた、それよろしくないよ」と。

 そんなこともあり、やっぱり私は信頼関係を築くために「国際感覚」持つことが必要だと思うのです。

まとめ

相手との信頼関係を築くためには「国際感覚(相手を知り行動に移す)」が不可欠。

そしてその感覚を磨くためには:

1.海外就労先の就労に関係する法律外国人の価値観を知る

2.現地の人に対してアンテナを常に張っておく。(日本流を受け入れてくれているのは、彼らが本当に賛同してくれている?)

3.信頼のできる外国人従業員がいるのであれば、その人の意見を聞いてみる。

4.もし彼らの価値観を知っているのであれば、その価値観に柔軟に対応し、彼らの価値観を尊重する行動をする

どれもこれも、最終的に信頼関係を築くためです!

 

おまけ:

イタリアでは、人前で誰かを叱咤すること、職務所掌を超えて仕事を依頼することは法律違反です。

アメリカでは面接の際に年齢を聞いたりすることはハラスメントとして扱われます。

みなさんは、彼らにどんな価値観があってこういう法律があると思いますか?

日本人の意思決定はトップダウンかコンセンサス重視か

記事を下記のWebsiteに載せて頂けることになったため引っ越し中。
2017年10月1日更新:
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上司の言うことは絶対である、ということが頭にありながら、

部内や部門間の意見の一致(コンセンサス)を重視する日本人。

この基準があいまいな二面性に外国人は混乱をしてしまいます。

今日は意思決定がトップダウンの国

(ロシア・東南アジア・アメリカ・イタリアなど)の従業員と、

どのようにすれば誤解を避け、気持ちよく仕事を進められるか

についてブログを書いていきます。

なぜ部長がこんなことで合意をとろうとするの?

日本人の部長(兼役員)を持つイタリア人課長にこんなことがありました。

伊人課長「イタリアの展示会でお客さんに提供する景品が、

イタリア営業と話してペンに決まったので、購入の承認をお願いします。」

日本人部長「わかりました。

承認しますが、その前にもう一度イタリア営業と合意をしておいてください」

「はい…

(そもそも営業と話して決まったことだし、

なぜペンごときでそんなことしなくちゃいけないの?

あなたにその決断能力はないの?

普段は意見を言われることもあまり好きではないくせに)」

対象がペンなのか予算なのか程度はあれど、

こういう状況は会社でよくあることだと思います。

ですが、

『確かに後々の不要なクレームを避けるために再度合意をとるのはわかるけど、

なぜそこまでしなくちゃいけないの?』

というのが彼女の純粋な疑問なのです。

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各国の意思決定のプロセス

この意思決定のプロセスの違いによって、

1.あなたが上司の場合、上司としての素質を疑われてしまう

2.あなたの部下が地位を持っている場合、

自分で意思決定をできないのであればリーダーとしての素質を疑われてしまうじゃないか」と不満を与えてしまう

そのため、

現地の人間とあなたが意図しないところで、すれ違いが起きてしまうのです。

意思決定の慣習は、文化によって違いがあります

下記の画像は、国ごとに分けられた意思決定の習慣を示したものです。

左に位置している国ほどトップダウンの意思決定を好み、

右に位置している国ほどコンセンサス重視の決断を好む傾向にあります。

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よって、ロシア・イタリア・アメリカなどの国から見ると、

日本はコンセンサスを重視する文化とみえ、

スウェーデンやオランダから見ると日本はトップダウン重視の文化と見受けられます。

お互い気持ちよく仕事をするには、

あなたが仕事をしている国の違いを受け入れ、共有し

現地の人と歩みよりをすることです。

今までいろいろ現地の方と苦労された方は

「彼らが受け入れられるはずがない」と思うかもしれませんが、

私のイタリア人上司のように

「コンセンサスをとる目的」を予想できる現地の人もいます

お互い完全に理解しあうことは無理かも知れませんが、

あなたの思考や行動の意図を明らかにし、

あたなも相手の違いを受け入れることで、

お互いが仕事がしやすくなり、信頼関係も築けるようになります。

まとめ

あなたが働いている国が日本よりトップダウンの意思決定をする場合:

1.意思決定の方法は文化によって異なることを理解する。

2.コンセンサスを得る目的を現地の人と共有する。

3.コンセンサスを得る事項を重要事項(予算・案件・対象相手など)に絞る

4.社内構造や個人の能力を判断し、できるだけ現地の人に裁量を与える

どちらかの文化のやり方を押し付けるのではなく、お互い歩み寄りをしてよりいい仕事の環境を作り出せるのが一番いいですね!

 

おまけ:

私の個人的な経験ですが、ヨーロッパ人やアジア人との歩み寄りは成功する確率が高いです。アメリカ人はもうひとステップ踏まないと少し難しいかな。